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2018.02.01

パッシブハウス・換気扇選定はどうする?


05/09/2021加筆・訂正

パッシブハウスの熱交換換気システム

空気はいつもきれいなのに、熱だけリサイクル。

これで給気口から冷たい外気が入ってくることもありません。

これがパッシブハウスの熱交換換気システムです。

 

初めてパッシブハウスを聞いたという方は

まずこちらから見ていただければと思います。

パッシブハウスとは何か?・2021年最新版

パッシブハウス検証ソフト:パッシブハウス・プランニング・パッケージ Version 9とは


パッシブハウスのシュミレーションには

Passive house planning package Version 9.6(2015)

という

省エネ建物設計および省エネ改修計画向け

エネルギー×デザインのバランス設計ツールを使います。

省略してPHPP(ピー・エイチ・ピー・ピー)と言います。

このソフト(英語・ドイツ語版)はパッシブハウスインスティチュート(ドイツ)より販売されています。

Ver9.6からは日本語化されパッシブハウスジャパンで販売されています。

まずこのソフトでパッシブハウスになるかどうかの事前検討が必要です。

 

換気(Ventilation)の選び方

パッシブハウスエネルギー基準に対応するためには換気(Ventilation)の選び方が重要です。

ここでいう換気とは建築基準法で住宅には必ず付けなければいけないと規定されている換気(換気扇、換気システム)のことをいいます。

色々な会社が販売しています。2017年にJISが改正されましたのでそれに対応した新商品も出てきました。

2021年4月現在の選び方を検討したいと思います。

 

第一種換気で熱交換機能があること

2018年1月に東京で最低気温マイナス4.8度という日がありました。

日本全土がマイナス気温でした。

しかし外気温がマイナス気温、室内が20℃の場合でも、住宅の場合は

日本の法律で2時間に1回の割合で室内の空気をすべて入れ替えることが要求されます。

それは人間の呼吸に必要な酸素を取り入れる為です。

2020年からのコロナの関係でCO2濃度のことが良く話題に出ています。

これは酸素量が人間の呼吸に欠かせないのもなのですが、空気中の酸素が計りにくい。

ですから逆に、人間に有害(濃度が高いと)な二酸化炭素濃度を測るということです。

CO2濃度は気象庁の実測データーによると外気が約420ppmです。

ビル管理法では室内は1000ppm以下にすることが基準です。

厚生労働省『建築物環境衛生管理基準について』を参照してください。

最近の熱交換換気扇にはこのCO 2濃度を測って、ON/OFFする機能があるのもあります。

外出時は空気が汚れないので、空気を入れ替える必要が無い。という考えから、この機能が生まれました。

また、温度については17℃以上28℃以下と決められています。

人間が快適と感じる温度(パッシブハウスが決めている冬は20℃、夏は25℃)と日本の管理基準温度(17℃以上28℃以上)と地域・季節・時刻により日々変化する外気温度とが大きく異なる場合には室内空気の温度を熱交換し再利用をすることが冬、夏には必須と私は思います。

これをするには第一種換気設備で熱交換機能が必要です。

 

パッシブ換気とパッシブハウスの換気どこが違う?

パッシブ換気とは

パッシブ換気とは室内の温かい空気(室内が外気に比べて暖かいという条件のもと)を空気の温度差を利用して、電気エネルギーを使用せず上部に排出するというものです。

ですから、この場合ある条件が必用です。

1 まず内部が外気に比べて継続的に暖かいこと(常時、暖房している必要があります)

II そして外気が非常に寒いこと

以上の条件から主に北海道で行なわれてきた換気方式です。

現在は建築基準法で換気が義務付けられておりこのパッシブ換気だけでは不可です。

パッシブ換気を付けても、別の換気システムで2時間に1回の割合で室内の空気をすべて入れ替えることが要求されます。

パッシブ換気は電気エネルギーゼロでも、付けなければいけない換気システムが電気エネルギーゼロではありません。

また、付けなければいけない換気システムが熱交換換気システムでなければ、室温上げるために暖房し続ける必要があります。

エアコンの場合は電気代がかかりますし、石油ストーブの場合は灯油が必要です。

 

パッシブハウスの標準は有効熱交換効率80%以上であること

パッシブハウスの標準は有効熱交換効率80%以上であることです。

しかし、詳細なPHPP計算により標準外も可能です。

メンテナンス費用を抑えようとすると、機器の効率が下がってしまいますが、その分を他でカバーすればいいんです。

120m2の住宅を例として現在日本で使われている熱交換換気扇の代表的な商品の比較をしたいと思います。

PHPPでは機器の熱交換効率についてはパッシブハウス認定品ではより厳密に製品試験をすることからメーカー表示とは違う効率を認定しています。

また、パッシブハウス未認定品の場合は製品技術データーの熱交換効率からマイナス12%の熱交換効率で計算することとなっています。

 

換気システム一覧表

機器の熱交換効率で並べると以下のようになります。

各社のカタログでの熱交換効率比較

メーカー       商品名                  熱交換効率

メーカー       商品名                  顕熱       潜熱

S社        LWZ-280             94%       0

J社         Focus200             93%       0

J社         DOMEO 210       92%       0

S社        LWZ-170             90%       0

R社       SE200RS             81%       67%

M社       LGH-N50RXW    71%       63%

 

ここで注意することは、

各メーカーはどの基準を採用しているか?

①どの国?

➁どの基準?

③どの年?

の3点です。

①どの国?・・・とは

日本、ドイツ、スペイン、オランダ・・・などなどにより取り扱う基準が違います。

➁どの基準?・・・とは

日本基準では

全熱交換器:JIS B 8628

熱回収換気装置及びエネルギー回収換気装置-性能試験方法:JIS B 8639

国際基準では

Heat recovery ventilators and energy recovery ventilators — Method of test for performance:ISO 16494

があります。

③どの年?・・・とは

JIS B 8628については2000年に制定され2003年改正と2017年改正があります。

JIS B 8639についてはISO 16494:2014に準拠し新たに2017年に制定されました。

EN308:1997規格を昔は使っていました。

ISO 16494は2014年に制定されました。これが最新規格です。

2021年現在 これが最新規格です

現在は省エネ、コロナウイルス対策で、各社が熱交換換気扇の性能UPを計っています。

政府からも補助金が出ていますのでJISの新基準に対応した製品が出てきました。

新基準は測定条件、内部漏気検査がISO基準に準拠しましたのでより厳しくなりました。

JIS B 8628:2017

ISO 16494:2014

に準拠しているかのチェックが重要です。

 

パッシブハウス認定の場合はどうなるのか

メーカー       商品名                  パッシブ認定熱交換効率   

メーカー       商品名                顕熱       潜熱

J社         Focus200             91%       0

J社         DOMEO 210       87%       0

S社        LWZ-280             84%       0

S社        LWZ-170             78%       0

J社         Focus200全熱     75%       55%

R社       SE200RS             69%       55%

M社       LGH-N50RXW    59%       51%

 

Focus200 

https://database.passivehouse.com/en/components/details/ventilation_small/paul-warmeruckgewinnung-gmbh-focus-200-0300vs03

DOMEO 210

https://database.passivehouse.com/en/components/details/ventilation_small/soler-palau-sistemas-de-ventilacion-slu-domeo-210-fl-3v-0824vs03

LWZ-280 

https://database.passivehouse.com/en/components/details/ventilation_small/stiebel-eltron-gmbh-co-kg-lwz-280-balance-1197vs03

はISO基準以上の厳密なパッシブハウス認定で熱交換効率が確定しています。

他はパッシブハウス認定されていませんので、一律12%減で計算されます。

これは各メーカーの性能とパッシブハウス認定との違いを調査した結果です。

Focus200全熱については同じメーカーで同じ形状・サイズですでにパッシブハウス認定されているCLIMOS F 200

https://database.passivehouse.com/en/components/details/ventilation_small/paul-warmeruckgewinnung-gmbh-climos-f-200-comfort-0680vs03

の全熱交換素子にメーカーが入れ替えた商品です。

 

実際の熱交換効率とは

実際の熱交換効率は

機器の熱交換効率と機器と外気間のダクトの断熱性、配管長さ等から計算されます。

 

検討結果

  • メンテナンス費を安く上げるには熱交換効率が71~73%になる。
  • 全熱か顕熱かで、選ぶ商品が変わってきます。
  • においが移動しないことを重視すれば顕熱(メーカーにより臭いは通さず、水だけ通す全熱を言っているところもあります。)
  • 冬の湿度保全からは全熱。
  • マニアックな方法としては夏/冬で熱交換素子を顕熱/全熱と入れ替えることもできます。
  • 効率がいい商品は、フィルターメンテナンス費がかかってきます。
  • ここでは検討しなかった給気冷暖房換気扇もあります。
  • 機器と外気間のダクトの断熱性、配管長さはプランニング時の重要検討項目です。

 

結論

  • メンテナンス費が安いに越したことはありません。
  • パッシブハウス性能の建物にするにはPHPP計算で機器の初期値として熱交換効率71%で行う事としましょう。
  • そして効率の差分を断熱性能・他でカバーする事を考えましょう。
  • 音は静かな24dbがいいです。パッシブハウスは静かなので高いと気になります。
  • 断熱性能でカバーできない場合は、メンテナンス費UPを検討しましょう。
  • PHPPでシュミレーションし、パッシブハウスになるかを検討する。それしかありませんね。